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北海道 白糠産 天然蝦夷(えぞ)鹿

北海道 白糠産 天然蝦夷(えぞ)鹿
・株式会社マームで仕入れる蝦夷鹿は、北海道 白糠にある株式会社馬木葉さんからの仕入れる物に限定しています。 そのことにより、商品の安定供給がかなわないタイミングも発生することもありますが、同じ蝦夷鹿でもハンティング技術や処理の手際によりこれほどの差が出ることをご自身でご確認ください。
株式会社馬木葉
蝦夷鹿関連商品を見る  松野さんが鹿のハンターを始めたのは約20年前、そのころは制限なく増え続ける鹿による農作物への被害が問題になっており、何らかの対策が必要になっていました。白糠市から蝦夷鹿駆除に対する補助金が出るようになりましたが、現実は経費の方が高く、だからといって現在のように鹿肉が珍重されている状態ではなかった為、なかなか思うように駆除が行われていなかったそう。そこで、一念発起した松野さんが鉄砲の免許を取り、食用として流通ルートに乗せられるように様々な改善を行った結果、現在のように鹿の狩猟が商売として成り立つようになったようです。
散弾銃とライフルの薬きょう
蝦夷鹿関連商品を見る  では、さっそくハンティングの用意。もちろんまずは鉄砲の弾が必要です。松野さんが使用するのは主にライフル、時々至近距離で蝦夷鹿を打つ際や野鳥を打つのにショットガンを使用します。そこで使用される弾はすべて松野さんがご自身で用意するそうです。弾の基本的な構成は、薬きょう、そこに入れる火薬、火薬を爆発させるための雷管、そして弾丸です。この火薬の量が若干でも異なる場合には、狙いどうりに弾が飛んでくれない為、その日の湿気や気温などを考慮して、打ちながら少しずつ調整していくそうです。
ホローポイント弾
蝦夷鹿関連商品を見る  弾丸とはいっても、ライフルの弾丸は先がそがった円錐上になっています。蝦夷鹿のような大きな動物を一発で仕留めるために、ダメージ大きい特殊な弾丸を使用します。写真の通り、ターゲットにあたると、弾丸の先がキノコ状に広がるホローポイント弾。そして、通常は鉛でできている弾丸は、環境に配慮した銅製になっています。 そのコストは、1発約500円。一頭を仕留めるために何発も使用するとすぐ赤字です。
白糠町の空港周辺
蝦夷鹿関連商品を見る  白糠町は、町全体が低い山で囲まれており、そこには白樺や楓、山モミジなどが自生しています。すでに葉っぱはすべて落ちており、むき出した大地と色を失った森が濃い茶色をしており、まさに蝦夷鹿の色。完璧なカモフラージュを施された鹿を愛用のランドクルーザーにまたがって探しに行きます。
ライフルを構える名人松野さん
蝦夷鹿関連商品を見る  しかし、1時間、目を皿のようにしながら探してもまったく見かけることがありません。それは、狩猟をしている時間が決まっているからであり、その時間を知っている賢い鹿は、山の奥に潜んでいるのです。 約2時間後、松野さんが静かに落ち着いた声で「いた」と言いました。その方向を見てみると、数等の鹿の群れがゆっくりと草を食んでいました。 松野さんはゆっくりと車を止めて、音も立てずに木陰へ、一呼吸おいてから「ズドーン」、大きな銃声が響きました。すると、約100メーター程先にいた群れは一斉に山の奥へ、「とまれとまれ」と念じるようにつぶやく松野さんの声、そしてもう一発。 自分の目では当ったかどうかも分からないので、いそいで鹿がいたあたりへ走っていくと、見事に2頭の鹿が顎を打ち抜かれて倒れていました。
仕留めた蝦夷鹿
蝦夷鹿関連商品を見る  この顎を打つのは食用の鹿ではとても重要なことになります。そして、約100メートルの距離から2頭とも見事に顎を打ち抜く技術は道内でも名が通った松野さんだから可能なことだそうです。 なぜ顎、または首を狙うのか。胴体を撃ってしまうと、食用部分である肉が傷むことになります。また、心臓や脳を撃ってしまうと心臓が止まってしまい、大切な血抜き作業ができなくなってしまいます。顎や首を撃たれた鹿の心臓はまだ動いており、頸動脈を切ると放血ができるため、独特の獣臭が血から肉へ移ることがないのです。 また、僅かでも急所をそれると、鹿が暴れたり走り回ったりします。その後力尽きて死んだ鹿の肉は、茹であがった肉のように熱く、もっさりとした状態になります。それは肉としての品質の劣化につながりますので、食用の鹿を仕留めるには熟練の技術が必要なわけです。
仕留めた蝦夷鹿
蝦夷鹿関連商品を見る  鹿が倒れた場所まで来ると、まず愛用のナイフで頸動脈を切断します。すると血が勢い良く吹き出します。そして、小腸・大腸や胃など可食でない内臓は取り出し、放置はできない為ごみ袋に入れて持ち帰ります。
ランドクルーザーの荷台に乗せられた鹿が工場に搬入されます。
蝦夷鹿関連商品を見る  鹿を仕留めると、ランドクルーザーに取り付けてある荷台まで鹿を引っ張ってきて、そこに乗せるとゴムバンドで縛り付けて持ち帰ります。写真ではわかりずらいですが、さっきまで飛び跳ねていた鹿はまだ温かく、胴体部分からは湯気が出ています。 ここから加工場まで持ち帰る際にも大切なポイントがありました。鹿の両足を閉じた状態で運ぶと、鹿が持っている熱で肉が蒸れてしまいます。その為、両足を開いた状態で車にのせる必要があります。
蝦夷鹿の解体
蝦夷鹿関連商品を見る  牧場の一角に設けられた加工場まで持ち込まれた鹿は、必ずその日の内に皮をはぎ取り、出荷されるパーツまでに分解します。そうすることで、汚染が少なく鮮度の高い鹿肉を提供できます。 この皮の剥ぎ取り作業、牛や豚、羊などを生産する大規模な工場では機械で行いますが、ここでは一頭づつナイフで薄皮を切剥がす要領で行います。 写真で確認できる通り、頭は若干雑に扱われていました。鹿の舌やほほ肉、脳みそなどは美味しいらしいですが、分解してパーツにするのが大変らしく取っていないそうです。雄鹿の立派な角や毛皮は剥製屋さんが買い取ってくれるそうなのでとっておいてありますが、その他は処分だそうです。
蝦夷鹿の解体2
蝦夷鹿関連商品を見る  皮を剥がされた鹿は、いわゆる枝肉の状態。これをチェーンソーで背骨から縦に切断すると半丸です。 基本的には、まずウデ肉を骨ごと取り外します。ウデ肉とは前足の肉のことで弊社の商品で肩肉。そして次にもも肉を骨より取り外します。そこには、内モモ・しんたま・外モモ・ランプ・スネ肉がついています。骨付きの注文には、スネ肉からランプまで骨付きの状態で取り外します。次は、背中からロース肉。そして、ヒレ肉。最後にチェーンソーでバラ肉を骨ごと切落します。約60kgを超える蝦夷鹿から獲れるヒレ肉は約400gが2本だけ、処理の現場にいるとそれがどれほど貴重なのかよくわかります。
蝦夷鹿の内臓
蝦夷鹿関連商品を見る  鹿の内臓に通る血管には寄生虫がいるため、食するには加熱が絶対条件ですが、ソースを作る際などに使用するために依頼されるシェフも多いです。寄生虫は血を吸う虫の「ヒル」のような茶色くて、のっぺりとした形をしています。一つの内臓からうようよと這い出てくることもありますので、注意してください。基本的には血管を切っていくと内部にくっ付いています。
株式会社馬木葉のみなさん
蝦夷鹿関連商品を見る  松野さんは凄腕もったハンターでその評判により、ハンティングを趣味とする多くのセレブが松野さんを頼って北海道に遊びに来ているそうです。 また、優秀なハンターでありながらも、その食材としての品質を理解しており、契約するハンターはすべて専業の凄腕、その為多くのシェフからの絶対の信頼を得ております。

P.S.
白糠には熊や真鴨も生息しています。熊は食用としては知名度が低いため(美味しいそうですが)、また冬場は冬眠するためにジビエの季節に獲れないなど、商売としては難しいので獲っていないそうです。しかし、白糠では熊に人が襲われるなどの被害が出ている為、実際にはもっとどこかが補助金を出してでも頭数を制限しなければいけないそうです。
 真鴨は、一羽単価がどうしても鹿よりも低い。また、撃った鴨を探すのが大変で、犬の力が必要になる。とうぜん、そのためには犬を訓練しなければならないなどコスト高になり、現在はほとんど獲っていないそうです。
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