・冷凍海老商品は、基本的にすべての商品が急速凍結で製造されております。これらの製品の内、生の製品は自然解凍を行いますと、表結晶が解凍していく過程で成長し細胞を壊してしまうため、旨み成分がドリップとなって流出してしまいます。
また生の水産物を解凍する時、製品の中心温度が5℃を超えると品質は著しく損なわれます。たとえ10℃程度であっても、「解凍された水産物」は加熱された状態にように品質が急速に変化します。
下記の解凍方法の基本的な考えは、「まず最初に0℃近くまで、できるだけ早く解凍し、その後は、製品の中心温度が5℃以下に保たれた状態で解凍する」です。
この考え方に基づいた下記の方法で解凍していただきますと製品の持つ美味しさ・食感といった実力がそのまま再現できます。
また、解凍後の生の製品はできるかぎり早く調理に取り掛かるようにしてください。解凍後しばらく調理まで時間がかかる場合は、以下のようにしてください。
1冷塩水の中(殻付海老製品→塩分濃度2.0〜3.0%、むき海老製品→塩分濃度1.5〜2.0%)で0〜5℃で保管し、製品が空気に触れないようにする。
2変色しにくい製品はボール等に入れてラップし、5℃以下で保管する。解凍後は当日中にご使用ください。
ボイル等加熱した製品は加熱のためタンパク質を中心とした身質が固定化されているため、下記の解凍方法に加えて冷蔵庫での自然解凍も可能です。ボイル等加熱された製品も、解凍後は、できるだけ早く調理に取り掛かるようにしてください。解凍後しばらく調理まで時間がかかる場合は、ボール等に入れてラップし、5℃以下で保管してください。
真空パックの解凍方法
・真空パックのまま流水でできるだけ早く表面温度が5℃近くまで解凍する。その後、5℃以下の冷水に付けたまま中心部分まで解凍する。解凍後は、パックより取り出し、中に注入されている塩水等を切った後調理する。解凍後は必ず袋を破いておくこと。こうすることで間違えて再凍結する事態を防げる。
ブロック凍結商品の解凍方法
1流水にて一次解凍:ブロック凍結の氷が80〜90%程度なくなるまで水道水で流水凍結。所要時間は季節によって変わるが約5〜15分程度。
2二次解凍:一次解凍した海老を冷塩水(塩分濃度:約2.0〜3.0%)につけて解凍する。塩水温度が5℃を超えないように注意する。海老が個別に取り出せるようになり、海老の中心部の解凍を確かめたら取り上げて冷塩水をよく切って使用する。
IQF(バラ凍結)商品の解凍方法
A最も良い方法:必要数量を取り出し流水に掛ける。表面の氷(グレーズ)が無くなる直前に引き上げて0〜5℃の冷塩水(塩分濃度:約1.5〜2.0%)につけて解凍する。塩水温度が5℃を超えないように注意する。海老中心部の解凍を確かめたら取り上げて冷塩水をよく切って使用する。
B時間がない場合:必要数量を取り出し流水にて解凍、表面の氷がなくなってから1分後に引き上げる。この場合中心部は凍結状態である事。解凍しすぎると水分を吸収した細胞が破裂する。このため、加熱歩留りが著しく落ちる。(加熱によって縮んでしまう。)。