九州産(主に鹿児島県) 黒毛和種(経産牛) チルド 牛いちぼの特徴
九州産和牛イチボ
仕様
・日本一の黒毛和牛の産地である鹿児島県の肥沃な土地と自然に育てられました。経産牛とは、子を産み終わったメス牛に半年程度穀物中心の飼料を与え(再肥育)、肉牛として出荷された物を言います。経産牛はサシが入りにくい特徴がありますが、肥育すると肉食は濃い赤に変化し、味に深みが出ます。もともと子を産ませる目的で育てられるメス牛(繁殖牛)は、長く健康に飼育する必要があるので、草などをバランス良く配合した飼料が与えられます。こういった理由により、脂はあっさりとして食べやすく、コクと深みのある赤身の美味しさも楽しめるお肉になります。
グレード
・B2up
経産牛に関して
・経産牛は、約8年間に4〜5産を目安として飼育される繁殖牛です。年齢を重ねると、母牛としての役割を果たすことができなくなるため、以前は廃牛としてミンチなどの用途で出荷されていました。しかし、こういった経産牛に再肥育を施すことにより肉牛として出荷する事があります。年を重ねた牛は、肉の色の赤さが濃くなっていくだけでなく、肉質が締まってきて濃厚飼料を与えて肥育してもサシが入りにくくなります。しかし、脂肪融点が下がり不飽和脂肪酸とアミノ酸の含有量が増えていくと言われ、赤身のおいしさが濃くなることが注目されてきています。
BSE問題後、アメリカなど一部の国から輸入されるビーフは月齢の上限が30ヵ月までと制限されておりますが、メキシコやオーストラリアやニュージーランド等から輸入されるビーフにはこういった制限がありません。しかし、牛を長い期間育てることは経済的でなく、実際に輸入されるビーフのほとんどは、生後約24か月未満の月齢です。ちなみに、オーストラリアの基準では、36ヵ月以下の牛は若齢と区分されます。
和牛や交雑牛に関しても、市場に出荷されるのは約20〜30ヵ月齢です。国産牛(和牛・交雑牛)に関しては、赤身よりもサシの質を重視する傾向にあるため、長く育てて赤身のおいしさを追求することは市場の評価につながりにくいため経済的ではないという判断となってしまいます。
牛の産地で有名な件の方や、海外で長くお住まいになった経験があると、一般的なマーケットで販売されるビーフとは異なる種類のおいしさを持つ牛肉に出会っているかもしれません。それらの一部は、通常よりも長く飼育された牛ではないかと想像されます。
すでにだいぶ前にはなりましたが、「ステーキレボリューション」という映画内で各国自慢の牛肉をドキュメンタリー形式でランキングしていたのですが、その堂々1位はスペインで15年以上飼育された牛でした。
現在の日本では、長く飼育された牛らしい赤身のおいしさが凝縮されたビーフを食べるには、本来別の目的で大切に飼育された経産牛が唯一の選択肢になります。
牛の個体識別情報検索サービス
・「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」により、国内で出生した牛については、出生、譲渡し等又は譲受け等、死亡あるいはと畜、輸入又は輸出等について管理者からの届出が義務づけられております。これらの届出は、牛個体識別台帳に記載され個体情報として蓄積されることとなっておりますので、商品の一括ラベルに印字される個体識別番号により、お届けした商品を以下のリンクよりトレースし牛の月齢などを確認いただく事ができます。
牛の個体識別情報検索サービス(外部リンク)
・経産牛はおおよそ15歳前後ですので、長くても30ヶ月齢(2〜3歳)で出荷される未経産や去勢の和牛と比べると柔らかさや脂肪交雑に劣る部分があります。その赤身の魅力を十分に引き出すには部位ごとに適したカット方法を熟知されていることが必須と考えております。また、カット直後は死後硬直により肉質が締まっているため、屠畜日より約1〜2週間のウェットエイジングで肉が緩み熟成効果でタンパク質が分解されるため食べ頃になります。適切な設備と環境をお持ちであれば、ドライエイジングなど更なる熟成によりさらにその魅力を引き出すことができます。